欧⽶企業や中国企業を知った上で実感する「⽇本企業の特殊性」
中国の⼤都市におけるキャリア事情とその背景について、厳しい現実も含め、私自身が感じるリアルをお伝えします。
今回のテーマについて話す前に、まず皆さんに質問があります。
「『キャリア構築』を考えるとき、⽇本企業の現状は、グローバルスタンダードか否か?」という問いです。
私の率直な答えは「NO」です。私は、⽇本企業はもちろん欧⽶企業との取引も多数あり、⽶国やヨーロッパの本社で働くビジネスパーソンとのやり取りもあります。
中国のテック企業の海外展開における⼈材採⽤を⽀援しているので、中国本社で働く⼈とも直接仕事をしています。
⽇本企業、欧⽶企業、そして今時の中国企業を知った上で、改めて「やはり⽇本企業は特殊だな」と感じています。
⽇本のように終⾝雇⽤が前提だった企業体制は、欧⽶、中国、シンガポールなどでもほぼ聞いたことがありません。
昨今、⽇本では「ジョブ型雇⽤」が話題になっていますが、正直「今さら?」と思ってしまいます。⽇本でも外資系に勤務している⼈には共感してもらえるのではないでしょうか。
逆に、欧⽶企業と中国企業の採⽤戦略や組織構築は共通点が多いと感じます。
たとえば激しい国内競争を勝ち抜くために、⾼年収で即戦⼒となる⼈材をヘッドハンティングしていく点です。今、中国のテック企業の年収は、欧⽶企業に追い付け追い越せで伸びています。
36Kr Japanの記事によると、テンセントの21年度の従業員平均年収は84万7000元、1660万円以上(1元19.6円で換算)です。
因みに19年度は1400万円以上、20年度は約1500万円以上で毎年約100万円ずつ増えています。尚従業員数は現在11万人以上でして、1660万円×11万人という規模は世界トップクラスだと思います。
ここで優劣を語りたいわけではありません。
まずは、「⽇本企業の雇⽤制度は、グローバルで⾒ると実は特殊なのでは?」と客観的な疑問を持つことが、他の国を理解する上で⼤切だと考えています。
続きは来週公開予定です。バックナンバーも是非ご一読下さい。
中国の「今」が⾃分の限界を超える⼒をくれた | Diverse Design K.K.
取材・⽂/藤井薫 写真/⽐屋根悠亮